入学してから、数日がたったある日・・・・・・


enter a school 3



昼休み・・・・・・
私は友達とお弁当を食べていた。

「ねぇ、次の英語って辞書いるんだよね?」

「うん。そうだよ」

「あれ重いからやだ〜(><)」

「でも仕方ないよ・・・・・(そういえば荷物軽かったような・・・・)」

私は恐る恐る鞄を開けた。
中にはあるはずの辞書がなかった。そう、忘れてきたのだ。
その姿に、友達は問いかけてきた。

「 onpu、どうしたの?」

「辞書・・・・・・・・忘れた・・・・・・・・」

「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!やばいじゃん!どうするの?他のクラスに知り合いとかいるの?」

私はただ首を横に振るだけ。
入学してから数日はたったが、他のクラスに知り合いはいない・・・・・・

(どうしよう・・・・・・・う〜ん・・・・・・あっ!)

私は思い出した。この学校にはお兄ちゃんがいたことを。

「お兄ちゃんがいた!私、3年の教室に行って来る!」

「はやくしなよ。昼休み、終わっちゃうよ」

「うん!」

私は急いで3年の教室に向った。
3年の教室に行くまで、かなりの距離があった。
向っている途中、誰かとぶつかった。

「ごめんなさい。大丈夫ですか?」

「俺は大丈夫。君、可愛いね。俺と付き合わない?」

私は『付き合わない?』と聞かれ、思わず?マークを出していた。

「すみません。私急いでるので」

その場から去ろうとした時に、腕を捕まれた。

「ちょっと、何するんですか?離してください!!」

「それは出来ないな。さっきの返事、聞かせてくれなきゃ」

「返事って言われても・・・・・・(早く行かないと間に合わないよ〜)」

私が困り果てている時、1人の男の人が来て、掴まれていた腕を解いてくれた。

「おい、嫌がってるじゃなねーか」

その人が私に絡んできた人に睨みつけた。
それを見たのか、さっさと去っていった。

「ありがとうございます。本当に助かりました」(満面の笑顔)

「いや、別に・・・・・・・(か・可愛い・・・・・・・・)」(照)

「何かお礼したいけど・・・・・・」

「そんなことしなくていい」

「そうですか?だったら名前だけ教えてくれますか?」

「ああ。俺は海堂薫。2年だ」

「私は手塚 onpuです。本当にありがとうございました。海堂先輩」

「手塚?もしかして部長の血縁か?」

「部長って、テニス部のですか?」

「ああ」

「海堂先輩もテニス部なんですね。そうですよ。妹なんです」

「そうだったのか・・・・・・」

「はいっ!それじゃ、また。私急ぎますので」

私は海堂先輩と別れ、3年の教室に急いだ。
やっとのことでお兄ちゃんがいる3−1の教室についた。
なぜか3年の中に入っていけなかった。
呼ぼうにも呼べない。私は、近くにいる人に呼んで貰おうとした。

「あの〜手塚国光を呼んでもらえないでしょうか?」

私が頼んだ人は、いきなり私を睨みつき、喧嘩口調で話し出した。

「あなた、何?手塚君に何のようなのよ!!まさか、告白じゃないでしょうね?
 手塚君に告白なんて、身の程知らずね。彼にはファンクラブだってあるんだから!!」

「別に告白なんて・・・・・・とくかく呼んでくれませんか?」

「あんた、一体何様なのよ!!」

「妹ですけど・・・・・・・」

「妹?手塚君に妹なんていたのかしら?」

「本当のことですよ!!」

なぜか私は先輩と張り合っていた。そんな暇はないのに。
その時、

「妹がいるのは本当か?」

「あっ、お兄ちゃん!!」

「 onpu。どうしたんだ」

「うん。英語の辞書、借りようと思って・・・・・」

「そうか。少し待ってろ」

お兄ちゃんが辞書を取りに行っている時、さっき張り合った先輩が謝り出した。

「ホントに妹だったのね。ごめんなさい、早とちりしちゃって」

「別にいいですよ。気にしてませんし」

「 onpu」

お兄ちゃんは、私に辞書を渡した。

「ありがとう。またあとで返しにくるね」

「ああ」

私は急いで教室に戻った。



「遅かったね」

「うん。途中でいろいろあったから・・・・・・」

「で、借りれたの?」

「うん。またあとで返しに行く」

その時に、昼休み終了のチャイムがなった。
私達は席に座った。



そして、放課後・・・・・・・・・(って早!!)

私は3−1の教室の前にいる。
なぜかというと、3−1はまだHRが終わってなく、待っていたのだ。
暫く待っていたら、HRが終わった。私は教室に顔を覗かせ、近くにいた先輩に問いかけた。

「すみません。手塚国光を呼んでもらえませんか?」

「ん?あ〜、君は妹さんだね。ちょっと待ってて。お〜い、手塚!!妹さんからのご指名だぞ」

お兄ちゃんは何か恥ずかしそうに私のもとへ来た。

「お兄ちゃん、辞書ありがとう。助かっちゃった」

「そうか。それはよかった」

いつの間にかギャラリーが私達を囲っていた。

「へぇ〜、この子が手塚の妹・・・・・」

「結構可愛いじゃん」

1人の先輩が私に話しかけた。

「君さ、もう話題の的だぜ」

「えっ??」

「おい・・・・・・・・」

お兄ちゃんが睨みつけたのか、先輩はそれ以上は言わなかった。

「お兄ちゃん、今日一緒に帰れる?」

「今日は無理だ。部活があるからな。それに新入部員の指導もあるから・・・・・」

「そっか。大変だね、部長も。だったら少し見ていってもいい?」

「ああ。好きにしろ」

「うん」



私は3−1から出て教室に戻り、荷物を持ってテニスコートに向った。
テニスコートに着いた私は、フェンスより少し離れたとこで見ていた。

「あ〜、 onpuちゃんだにゃ〜!」(抱きっ)

いつものように菊丸先輩が抱きついてきた。
それを剥ぐ不二先輩。

「英二、僕の onpuちゃんになにしてるのさ」(開眼)

「うぅ・・・・・・いいじゃん、別に〜。スキンシップだもんね〜」

「英二、いい加減にしないか! onpuちゃん、こんにちは」(大石)

「こんにちは、大石先輩」

「 onpuちゃん、僕には?」(不二)

「あっ、ごめんなさい。不二先輩、こんにちは」

「あ〜2人ともずるいにゃ〜! onpuちゃん、俺にも、俺にも」

「はい。菊丸先輩」

3人は極上の笑顔がみれて顔が歪んでいた。

「やあ、 onpuちゃん」(河村)

「来ていたのかい?」(乾)

「河村先輩、乾先輩。こんにちは」

もちろん、2人も顔が歪んだ。(いや〜凄いね。極上の笑顔v)

「ねぇ、手塚さん。ここでなにしてんの?」(リョ)

「あっ、越前君。少し見学してるんだ」

「ふ〜ん。それよりさ、あの先輩達、何してんの?」

「さぁ〜、分からない・・・・・・」

我に戻ったのか5人は新たな闘志を燃やしていた。

「「「「「(ここにもライバルが・・・・・・・・)」」」」」

「そこにいる6人!グランド50週だ!!」

「「「「「て・手塚!!」」」」」

「なんでオレまで・・・・・・」

「もう10周、追・・・・・・・」

「「「「「「いってきます!!」」」」」」

越前君たちはお兄ちゃんに言われ、グランドを走り出した。


いつの間にか時間は過ぎ、部活が終了していた。

「帰るぞ、 onpu」

「うん」

「「「「「俺(僕)達も途中まで一緒に帰ろう!!」」」」」

「はい。もちろん、いいですよ」

「だったらオレもいいよね?」

「うん」

こうして8人の団体で帰ることになった。
onpuの両隣をキープしたのは不二とリョーマ。
そして、手塚の眉間には皺がかなり寄っていた。


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